不動産市場はバブルではない!今後も価格が下がらない物件とは(前編)
最近コロナの影響で世の中が変わりつつあります。
これから日本の不動産市場がどの様な方向に向かっていくのか不安に思う方がいると思います。
昨年10月のレポートを少し引用して、皆様にご紹介させて頂きたいと思います。
不動産価格は首都圏を中心に、2012年ごろから大きく値上がりを続けてきました。
これは「アベノミクス」効果や東京オリンピックの開催決定、それに伴う訪日外国人の増加などを背景としています。
そんな中で、「右肩上がりの不動産市場はバブルではないのか?」
と不安に思う方も多いでしょう。
そうした見方は数年前から存在し、
「2020年東京オリンピック後に首都圏の不動産価格は暴落する」
という予測もささやかれてきました。
今年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大やオリンピックの延期によって、不動産市場の先行きはさらに不透明となっています。
しかし、結論からいうと
現在の不動産市況の好調は、現時点ではバブルとは言えません。
なぜなら、現在の不動産価格の上昇は、1980年代~90年代のバブル期や、リーマンショック前のファンドバブル期とは状況がかなり異なっているからです。
1. 東京の不動産市場はバブルではない
現在の不動産価格は今のところ好調に上昇していますが、現時点ではバブルとはいえません。
バブルを簡単な言葉で説明すると、
「不動産の収益性を無視した値上がり益目当ての投資(投機)がされることで、
実態にそぐわない価格高騰が起こること」です。
バブルかどうかを判断できる「イールドギャップ」という指標に照らし合わせてみると、現在の不動産の値上がりは投機的なものではなく、健全な値上がりであることがわかります。
2. 不動産バブルはなぜ起きるのか
バブル経済が起こる原因は、過度な金融緩和です。
金融緩和とは簡単にいえば、市場に出回るお金の量を増やすことです。
市場に出回るお金の量が増えると、民間銀行はお金を貸すことに積極的になります。
金利が下がって誰もが融資を受けやすい状況になると、自己資金の少ない人でもお金を借りて不動産を購入できるようになります。
不動産を購入できる人が増えれば、結果として不動産価格は上昇します。
1980年代~90年代のバブル経済も、金融緩和による低金利政策の結果として発生しました。
1985年のプラザ合意以降、日本は「円高不況」と呼ばれる深刻な不況でした。
この不況を和らげるために政府が金融緩和政策を続けた結果、株式や土地への投機が始まり、バブルを引き起こしたといわれています。
では、不動産バブルはいつどのように崩壊するのでしょうか。
不動産の価格が下落するのは、上昇するのとは逆の時、つまり「金融が引き締まった時」です。
金融が引き締まる時は、緩和した時とは逆で不動産の購入に対して金融機関からの融資が出づらくなり、金利は上昇します。
不動産は価格が大きいため、自己資金のみで購入できる人はほとんどいません。
そのため、基本的には金融機関からお金を借りる必要があります。
自宅の購入なら住宅ローン、収益用不動産の購入なら不動産投資ローンです。
もし金融機関が融資に消極的な姿勢になると、不動産を買える人が減ります。
不動産を買える人が減ると、価格が下がります。
バブル期の1990年には、行き過ぎた不動産価格の高騰を抑えるために旧大蔵省が「総量規制」を発しました。総量規制とは、「不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える」という制限です。
これによって融資が引き締められたことでバブルが崩壊し、のちに「失われた20年」と呼ばれる景気後退を引き起こしました。
このように、
不動産市場(価格)は金融市場と表裏一体の関係にあります。
現在の好況はイールドギャップをもとに判断すればバブルではないことを説明しましたが、いずれにしても今後の不動産市場の先行きは金融の動向次第と言えます。
実は、不動産の価格は需要の影響をそれほど受けません。
需要よりも、金融の動向に左右される側面が強いです。
なぜなら、先述の通り不動産を自己資金のみで買える人はほとんどいないからです。
不動産を買える人が増えるか・減るかは、金融機関から融資を受けられるか次第であり、価格の上下もそれに左右されるということです。
不動産価格の変動メカニズムは、金融が緩和すれば上昇し、
引き締まれば下落するというシンプルな構造です。
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