不動産投資と地震対策について
皆様こんにちは!
みのり開発柏株式会社の金城です。
今週は不動産投資と地震について調べました。色々な注意点やリスクを挙げていきます。
地震大国と呼ばれる日本では、南海トラフ地震や首都直下型地震が近い将来に起こると言われています。
国土交通省によると、今後30年以内に南海トラフ地震でマグニチュード8~9クラスの地震が発生する確率は70~80%。
首都直下地震でマグニチュード7クラスの地震が発生する確率は70%程度と、それぞれ高い数値が提示されています。
日本での不動産投資を考えた際、やはり地震のリスクを考える方は多いのではないでしょうか。
「購入した物件が倒壊したらどうしよう」といった懸念から、不動産投資を迷っている方もいると思います。
不動産投資で想定される地震のリスク
1 不動産物件の価値が下がる
地震の被害に遭った物件は、被害状況にもよりますが、多くの場合は価値が低下してしまいます。
特に土砂崩れや地盤沈下のように、物件だけでなく周辺の環境にも被害が出ている場合は、建物を修繕しても買い手が現れず、物件を手放したくても手放せないという状況も考えられます。
2 不動産投資での収益が見込めなくなる
大地震の際には建物だけでなく、入居者の状況にも変化が起こることがあります。
東日本大震災の際には経済にも大きな打撃があり、内閣府発行の資料「東日本大震災の経済的影響の特徴」によると、経済的被害は16兆円~25兆円程度とされています。また、厚生労働省発行の「東日本大震災が雇用・労働面に及ぼした影響」によると、震災後の完全失業者数は15万人強から19万人と、約4万人増加していることが分かります。つまり、大地震の後には入居者の経済状況が悪化し、家賃が払えなくなる可能性があるのです。
また、地震によって建物の外壁が剥がれたりガラスが割れたりした場合、入居者がその物件に住めなくなることがあります。入居者が退去すると家賃が支払われなくなるため、収益が見込めなくなってしまいます。
そして、家賃収入が途絶えたとしてもローンの返済は続くため、不動産オーナーの負担が大きくなることも想定されます。物件の被害状況によっては、物件を担保に追加で借り入れをおこなうことが難しいため、修繕が完了し新たな入居者を獲得するまでは大きな金銭的負担が強いられる可能性があります。
3 不動産修復の費用が掛かる
先述のように物件の外壁やガラスに損壊があった場合、不動産オーナーが修繕費を負担することになります。損壊の度合いにもよりますが、一棟マンション経営の場合、数百万から数千万の負担になることもあります。
また、入居者や第三者に被害が生じた際、不動産の管理状態に瑕疵が見られた場合には賠償責任が問われることもあります。阪神淡路大震災にて、マンションの1階部分が倒壊して入居者が死亡し、不動産オーナーに1億2,900万円の損害賠償責任が命じられた事例もあります。
物件選びのタイミングでできる地震対策
地震対策その1. 新耐震基準を満たした物件を選ぶ
地震に備えて物件を選ぶ際には、新耐震基準を満たしているかどうかを確認するようにしましょう。
新耐震基準とは、1981年に改正された建築基準法に基づいた耐震基準のことです。1978年の宮城県沖地震において建物の損壊が多く見られたことで、耐震基準の見直しが実施されました。「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」という耐震基準で、2022年現在もこちらの基準が適用されています。
社団法人高層住宅管理業協会の東日本大震災 被災状況調査報告によると、東日本大震災により倒壊したマンションは0棟で、建物の大破は0棟、中破は61棟(0.071%)と少数でした。大地震が起きた際、新耐震基準を満たしていれば建物の倒壊はまず起こらないと考えてよいでしょう。
建築確認日が1981年以降のものであれば、その物件は新耐震基準を満たしています。注意点として、建築確認日と竣工日にズレが生じることが挙げられます。建物の竣工が1981年だとしても、建築確認日が1980年であれば、旧耐震基準で認可が下りている可能性があります。
古い物件は老朽化が進んでる可能性が高いので、地震対策の観点で言えば古すぎる物件を選ばないことが得策であるとも言えます。いずれにしても、購入を検討する物件の築年数や建築確認日はチェックしておくようにしましょう。
地震対策その2. ハザードマップを確認する
災害で被害が想定される箇所や、災害発生時の避難場所を記したものを「ハザードマップ」と呼びます。地震によって地盤の液状化現象が起こったり、津波による浸水が起こる可能性のある地域は、ハザードマップに記されています。
先述の新耐震基準を満たしている物件では、建物の倒壊はまず起こらないと言えますが、やはり地震の二次災害である液状化現象や津波については用心するに越したことはありません。物件の購入を検討している地域のハザードマップを確認し、危険度が高くないエリアであるかを確認するようにしましょう。
地震対策その3. 投資エリアを分散する
一棟マンション経営や1つのマンションで複数の部屋を購入する不動産投資は、管理の手間を抑えることができる一方で地震へのリスクが偏ってしまいます。複数のエリアの物件に分散投資をすることで、地震に対するリスクヘッジをおこなうことができます。
しかし、エリアが離れすぎると管理が大変になることに加え、入居需要を考慮しないと空室リスクも発生してしまいます。各種リスクを比較した上で、戦略的に物件選びをおこなうようにしましょう。
地震対策その4. 地震保険に加入する
地震対策のために、地震による被害の状況に応じて補償を受けられる地震保険に加入するのも一つの手です。地震保険は政府が補償の一部を負担する官民一体の制度で、大地震が起こった際に保険会社だけで補償をおこなえず破綻してしまうことを防いています。
地震保険は単体で加入することができず、火災保険の特約として入ることができます。地震が原因による火災は火災保険の対象外となるため、火災保険単独では地震対策にはならない点に注意です。地震対策に万全を期すためには、火災保険とともに地震保険にも加入するようにしましょう。
地震保険は、物件の損傷の程度によって支払われる保険金が変わります。支払われる保険金は保険金額の割合から、以下のように算出されます。
損壊の度合い | 支払われる保険金 |
---|---|
全壊 | 保険金額の100%限度 |
大半壊 | 保険金額の60%限度 |
小半壊 | 保険金額の30%限度 |
一部損壊 | 保険金額の5%限度 |
地震保険の保険金額は、火災保険金額の30〜50%と設定されています。たとえば火災保険額が1,500万円、地震保険額が750万円、損壊の度合いが小半壊だった場合、750万円の30%の225万円が保険金として支払われます。
こちらの計算からも分かるように、地震保険では損傷した物件の修繕費をすべて賄えない可能性があります。地震保険のみに頼らず、物件が新耐震基準を満たしているか、津波や液状化現象の危険が少ないエリアであるかなどを忘れずにチェックするようにしましょう。
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