生産緑地の「2022年問題」とは
こんにちは。今日は生産緑地について調べましたので、一緒に勉強して行きましょう!
生産緑地には「2022年問題」と呼ばれる問題があります。
◆生産緑地に関わる法律の変遷◆
1992年:新生産緑地法制定
2016年:都市農業振興基本計画閣議決定
都市計画法において、市街化区域とは「すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とされています。
このことから、市街化区域にある農地についても「いずれ宅地化すべきもの」とされてきました。
しかし、時代の流れとともに都市部(市街化区域)においても農地や緑地は必要なものと認識されるようになってきました。
そうした背景から2015年に「都市農業振興基本法」が成立。
2016年には「都市農業振興基本計画」が閣議設定され、これまで市街化区域内の農地について「宅地化すべきもの」とされていたものが「あるべきもの」へと政策を転換することになりました。
2017年:新生産緑地法改正
【ポイント1】特定生産緑地指定
2017年の生産緑地法の改正で「特定生産緑地」が指定されることになりました。
生産緑地は30年の営農義務経過後は市町村に対して買取の申し出ができますが、特定生産緑地に指定された土地は買取の申し出をできる時期が10年先送りにされることになりました。
もちろん、先送りされた場合は固定資産税の減免などの減税措置を引き続き受けることができます。
これにより2022年問題の影響を緩和する意図があります。
【ポイント2】条例による面積要件の引き下げ
生産緑地法改正の2つ目のポイントは面積要件の引き下げです。
生産緑地地区の面積要件はこれまで500㎡でしたが、市町村が一定の基準のもと、条例により面積要件を300㎡に引き下げることが可能となりました。これは、500㎡という要件が都市部の農地にしては広いものだったことが改正に至った要因です。
【ポイント3】行為制限の緩和
最後に行為制限の緩和です。
これまで生産緑地内に設置できるのは農業用施設のみでした。
しかし、これでは所有者が生産緑地を使って収益を得ることが難しい状況にありました。
こうした背景から、改正後には地元の農産物を使った商品の製造、加工、販売のための施設やレストランを設置できるよう変更されたのです。
2018年3月:田園住居地域創設
田園住居地域は「農業の利便の推進を図りつつ、良好な低層住宅の環境を促進する地域」です。
田園住居地域は「都市農業振興基本計画」で閣議設定された、市街化区域内の農地を「宅地転用するべきもの」から「あるべきもの」へと変更した流れの中で追加が決定されたものです。つまり、田園住居地域の追加により「住宅と農地が混在し、両者が調和する地域をあるべき市街地像として都市計画に位置付けた」のです。
2018年:都市農地賃借法制定
生産緑地に関する法律の制定や改正が続く中、2018年には「都市農地の賃貸の円滑化に関する法律案(以下、都市農地賃借法)」が制定されました。
都市農地賃借法を一言で表すと、「生産緑地の所有者が生産緑地を第三者に貸しやすくなる法律」です。
以下、本法律のポイントを見ていきましょう。
【ポイント1】法定更新適用なし
【ポイント2】相続税納税猶予制度は継続
生産緑地については相続納税猶予制度の適用を受けることができますが、これには「自分が死ぬまで生産緑地の管理をすること」という条件がありました。
つまり、誰かに生産緑地を貸し付けてしまうと、納税猶予が打ち切られてしまうのです。
一方、都市農地賃借法の適用を受けて生産緑地を貸し出すと、生産緑地を第三者に貸しだしても相続税の納税猶予制度を継続して利用できるようになりました。
◆まとめ
1992年に改正された生産緑地法により「30年の営農義務」が課され、30年経過後は市町村に買取申出できることから、2022年には大量の土地が市場に溢れる2022年問題が懸念されています。
しかし、生産緑地法の改正された1992年から現在までの間にさまざまな法改正が行われ、生産緑地のもつ可能性も変化しています。
※本記事は不動産情報サイトのスマイティからの引用文献となります。
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